流行や話題性で投資対象を選択する”ファッション投資家”を卒業しませんか?(後編)

流行や話題性で投資対象を選択する”ファッション投資家”を卒業しませんか?(後編)

2020年8月16日

前編では、なぜ流行や話題性で銘柄選定した場合うまくいかないの心理について紹介しました。

後編では、実際に流行や話題性で投資した場合結果どうなるのかを過去の事例を用いて紹介します。

前編はこちら

流行や話題性のみで投資を行うことのリスクとは
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1.「ウォール街のランダム・ウォーカー」から学ぶファッション投資家の運用成績

結論から言えば、一時的に利益を得ることはできるが結果大損して終了する。ということです。

何故そんなことが言えるのか?
その根拠として「ウォール街のランダム・ウォーカー」に載せられている、ITバブル前後の投資信託への資金流入のグラフを紹介します。

投資信託への資金流入

ご覧の通りに、急激に値上がり(爆上げ)したタイミングで大幅に資金が流入し、暴落したタイミングで大幅に資金が流出しています。

そしてバブル絶頂の暴騰時に資金を投げ入れている投資家こそがファッション投資家であり、そしてバブル崩壊の暴落時に資金を投げ売りしている投資家もまたファッション投資家なのです。

何故そんなことが言えるのか?
それは以前から長期間投資を行っている投資家よりバブル崩壊直前に買い付けている人間の方が下落率が大きいからであり、かつ投資期間が短いので銘柄をホールドする力も相対的に弱いからです。

時は流れ…

ITバブル崩壊から20年の歳月が流れた現在…そう再びハイテク株が爆上げをしている今です。
現在、皆が注目し私も注目しているNASDAQ100の投資信託への資金流入をご覧ください。

iFreeNext NASDAQ100インデックス

ご覧の通り短期間で買付が急増しているというわけです。

ご理解いただけたでしょうか?
これはつまり20年前と同じ状況を性懲りもなく再現しているということです。

この状況を専門家の言葉を引用すると

一つの時代に最も人気を博する銘柄やファンドは、その次の時代には例外なく最悪の結果に終わる。

そして群集心理というのは、幸福の絶頂にある時にさらに大きなリスクをとらせたくなるように、逆に悲壮感が支配する暴落の局面では最悪のタイミングで全員にタオルを投げ入らせるように働くのだ。

ウォール街のランダム・ウォーカー

ということです。

ちなみに暴騰時に買付し暴落前に売却できればもちろん儲けることは可能ですが、それができるのは自分以外の能力の高い人間だと思っていた方が良いでしょう。

2.各時期の流行に乗るとどうなるのか検証

次に周りと同じ行動=流行に乗った場合どういう結果になるのかを調べてみました。

今回もまた「ウォール街のランダム・ウォーカー」に載せられている、ITバブル前後の投資信託への資金流入のグラフをもとに検証します。

この図を見ると
1999年~2000年:成長株を買付し、バリュー株を売却
2001年~2002年:成長株を売却し、バリュー株を買付

という行動を”みんな”がやっています。つまり流行っています。

これを現代版にすると

1999年~2000年は
「NASDAQ100が最高値更新!まだ投資は間に合うか!?」
「まだバリュー株で消耗してんの?時代は成長株ですよ?」

みたいな記事や動画、ツイートが流行り

2001年~2002年は
「成長株はオワコン」
の一言で片づけられるのでしょう。

それでは”みんな”がバリュー株を売り、成長株を買っているタイミングで同じ行動をするとどうなるか?2000年~2020年までのチャートを見てみましょう。

2000年1月~2020年8月までのチャート

赤線:成長株(QQQ=NASDAQ100指数ETF)
青線:バリュー株(XLE=エネルギーセクターETF)
黒線:S&P500

当時人気絶頂のQQQはその後暴落し、元の価格まで戻るのに約14年、S&P500とXLEを上回るのに19年もかかっています。
最終的にはQQQが最高のパフォーマンスを出せたわけですが、その間10年以上ずっと負け続けしかも、ITバブル絶頂期にオワコンと見切りをつけて売却したXLEはリーマンショックまでは圧倒的なパフォーマンスを出しています。

真横でXLEで大儲けしている人を見て、ファッション投資家が我慢できるでしょうか?いや、ないです。

だからこそ最初の図の様に、2001年~2002年では”みんな”が成長株を売り、バリュー株を買う(いくらかはここで株式投資を退場)するわけです。
ならば今回も”みんな”と同じようにQQQを売って、XLEを買った場合どうなるか見てみたいと思います。

2002年1月~2020年8月までのチャート

赤線:成長株(QQQ=NASDAQ100指数ETF)
青線:バリュー株(XLE=エネルギーセクターETF)
黒線:S&P500

チャートが示すように事態を悪化させています。

まず流行に合わせて2000年にQQQを買付し、2002年にQQQを損切りしてXLEを買付した場合、2000年→2002年の間で約55%下落したQQQを損切して残りの45%の資金でXLEを買付することになります

そしてこのタイミングでXLEに乗り換えた場合、乗り換えたタイミングから現在(2002年1月~2020年8月)までのQQQとXLEのキャピタルゲインの差は12倍です。(※ただし配当はXLE>QQQなのでトータルリターンの差はこれより小さいです)

結果論にはなりますが、ITバブル時にQQQを高掴みした投資家は乗り換えするべきではありませんし、新規参入するにしても”みんな”が注目しているXLEではなく、当時オワコンのQQQというわけです。

ただ結局のところ資産の大部分は大勝も大敗もしないS&P500に投資した方がいいと思っています。

というのも、バブルがいつまで続くなんでのは予測不可能なので、逆張り投資をした場合長期間辛酸をなめることになる可能性があります。
(例)2002年にXLEではなくQQQを買付すれば長期的には圧勝していたがリーマンショックまでの実に5年以上はXLEに劣っている。

更に言うと、この世は盛者必衰なので長期的に見れば常勝無敗の銘柄は存在しません。
今回紹介したようにここ10年圧倒的なパフォーマンスをたたき出しているQQQはその前の10年は常にXLEに敗北しています。逆に言えば今日オワコン扱いされているエネルギーセクターは当時は勝ち組でした。

これはすなわち長期投資家であるならば、銘柄選定しても結局平均に回帰するからあまり意味がないということになります。
いやむしろ、人気に乗った銘柄選定をして高掴みをし、底値で売る危険性すら出てきます。

以上のことから、投資をする際はまずS&P500(VOO)や全世界株式(VT)で平均を取りに行く投資をメインに行い、サブで狙いを絞った投資をした方が良いと考えます。
そして狙いを絞った投資をする際は今回の記事の通り、話題や流行になっているものはなるべく避けた方が賢明だと考えます。

今回の記事作成の為に参考にした書籍・サイト

・ウォール街のランダム・ウォーカー

データの引用で使用

・株式投資の未来

エピソードの引用で使用

・TradingView

チャート作成で使用

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jp.tradingview.com

※投資は自己責任でお願いします。