プラチナへの投資は南アフリカ共和国の株式への投資で代替可能か検証してみる

プラチナへの投資は南アフリカ共和国の株式への投資で代替可能か検証してみる

2021年7月25日

どうも青瓶です。

今回はプラチナへの投資とその代替投資について考えていきます。

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現状把握 低迷するプラチナ価格

プラチナと言えば言わずと知れた貴金属、レア度で言えば金よりも遥かに高いわけですが現在の価格は低迷しており、金よりも安い価格で取引されています。

出典:tradingview.com

これは金が宝飾品としての用途が多いのに対して、白金は工業用としての用途が多いという性質が影響しているといわれています。
白金はディーゼルエンジンの排気ガスの浄化触媒として使用されていますが、フォルクスワーゲン(VW)による排気ガスのデータ不正の発覚し、カーボンニュートラルがどうのこうの言っているこのご時世、需要が減るのは当然です。

そしてもう一つの要因と言われているのが南アフリカ共和国(※以後 南アフリカ)

プラチナと南アフリカは切っても切れない関係です。
なにせプラチナは産出できる地域が極端に偏っており、南アフリカでの産出量は世界全体の7割を占めていますからね。
そしてこの南アフリカの通貨、「ランド」の価値が下落している為、それにつられてプラチナ価格も下落しているというわけです。

とはいえレア度で言えば金よりも遥かに高いわけで、にも関わらず金以下の価格で取引されている現状、割安だと思えて仕方がありません。
しかしながらこの読みが外れたら大変です。
なぜならプラチナの属するアセットクラスはコモディティ

コモディティは株式と異なり配当なんてのはありません。
つまり長期投資にはあまり向いていないです。

そこで考えたのがプラチナ生産量ダントツ1位である南アフリカの株式へ投資するという方法。
南アフリカランド安がプラチナ価格の下落に影響を与えているということはそれすなわちプラチナ価格と南アフリカランドには正の相関があるということ

ゴールド投資の代替としての金鉱株投資があるように
プラチナ投資の代替としての南アフリカ株投資があるのではないか?

その可能性について検証していきます。

比較検証 プラチナと南アフリカ株、そしてランド

それではさっそく比較していきます。

比較に使用するのは以下の3種類になります。

ドル建てのプラチナ価格
・ZAR/USD(ランドドル)
・南アフリカ株ETF(EZA:iシェアーズ MSCI 南アフリカ ETF

プラチナ価格 南アフリカ株
出典:tradingview.com

2006年1月~2021年7月までの長期チャートになります。
(ZAR/USDが2006年スタートの為)

チャートの動きだけ見ると、プラチナと南アフリカ株には相関があるように見えます。
そして世間で言われているように南アフリカランドも同様に相関がありますね。
ただランドは新興国通貨の例に漏れずインフレで半分以下まで減価していますが。

tradingviewには相関係数を可視化できる機能もあるので相関係数を面グラフにしてみます。
黄色の面グラフ:プラチナと南アフリカ株(EZA)の相関
青色の面グラフ:プラチナとEZA/USDの相関

プラチナ 相関
出典:tradingview.com

プラチナと南アフリカ株は基本的に高い相関があるように見えます。
ただし何かしらの株式の暴落相場、ここで言えば2008年のリーマンショック、2015年のチャイナショック、2020年のコロナショックでは逆相関になるようです。

まあ、これは当然と言えば当然の話で、金融危機が起こると資金はリスク回避の為に株式から債券やコモディティに流れますからね。

大局的な動きとしては南アフリカ株はプラチナと相関があるが、局地的には逆相関になる。といった感じです。
これをどう捉えるかです。

これは私見になりますが、長期投資であれば局所的な動きは気にならないということで、資産を産まないコモディティ(プラチナ)より資産を産む株式(南アフリカ株)に投資した方が、得られる資産の期待値は高いと言えます。
短期トレードであれば、逆に分配金のうまみは少ないので、プラチナそのものへの投資が適していると感じます。

比較検証 プラチナと南アフリカ株、S&P500、金

ついでに他の資産とも比較してみましょう。

赤色の面グラフ:プラチナと南アフリカ株(EZA)の相関
青色の面グラフ:プラチナとS&P500の相関
黄色の面グラフ:プラチナと金(ゴールド)の相関

出典:tradingview.com

なるほど、やはりというか南アフリカ株はS&P500よりもプラチナの相関が高いですね。

以前、ロシア株や中南米株で検証したことがありましたが、資源国株式というのは大体その国のメインの資源と米国株の中間のような性質になっていますね。

ハードルの高いコモディティ投資を資源国ETFを使うことで代用可能か検証する
aobins-storage.com
コモディティETFと資源国ETFの相関係数を求め代用可能か検証(GSF/ILF/ERUS/IVV)
aobins-storage.com

とは言え所詮は株式、プラチナと同じアセットクラスの金には相関で勝ることはできませんね。
金の場合ほとんどの状況で順相関です。

プラチナと各資産の相関係数

グラフによる可視化はできましたが、数値化できていないのでまだ不十分です。
今度はportfoliovisualizer.comで長期の相関係数を見ていきます。

ポートフォリオビジュアライザーでは各資産をETFによる比較で行っていきます。

比較対象

・プラチナ:PPLT
・南アフリカ株:EZA
・金:GLD
・銀:SLV
・S&P500:SPY

上記の資産について2010年1月から2021年7月までの期間、日次リターンで相関係数を算出しました。

そして比較した結果が以下の表になります。

出典:portfoliovisualizer.com

相関の強さと相関係数の関係は下の表を参考してください。

相関係数相関の強さ
0.7~1順相関(強)
0.4~0.7順相関(中)
0.2~0.4順相関(弱)
-0.2~0.2無相関
-0.4~-0.2逆相関(弱)
-0.7~-0.4逆相関(中)
-1~-0.7逆相関(強)
相関早見表

これを見るとやはりプラチナは南アフリカ株よりも金や銀と相関が高いことがわかります。

金と銀は0.6強の相関なのでプラチナに対して中程度の順相関ですが、対して南アフリカ株は0.43なのでギリギリ中程度の相関、まあ実際弱い相関がある程度にとどまっています。

とはいえSPY(S&P500)と比較すれば高いですし、極端に相関が落ちるチャイナショックとコロナショックの期間を排除すれば、金と銀の相関に匹敵する相関は得られそうです。

というわけで結論を言うと

長期投資前提ならば代替投資としては使用できなくもない

といったところでしょうか?

しかしこれはどこまでプラチナにこだわるかで意見が分かれると思います。
当然ながら「プラチナは必ず金以上の価格まで上昇する」みたいな確信があるのであればやはりプラチナそのものに投資した方がいいです。

ただそれ以外の場合、例えば「何となく値が下がっているからプラチナ持っておこうかな」くらいのレベルであれば、コモディティ投資は株式投資のようにバイアンドホールドしておけば基本的に勝てるなんてことはありませんし、価格変動も大きいので例え相関が低くとも南アフリカ株への投資を行い、プラチナ価格の上昇の恩恵を少しばかり頂くくらいの謙虚な姿勢がちょうどよいのかもしれません。

↓続編

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